母趾の付け根の痛み!種子骨炎・種子骨障害の原因と対策とは?

“母趾の付け根が痛い”
“歩くと母趾が痛む”
“種子骨炎・種子骨障害で悩んでいる”
“一度良くなっても、また痛くなってしまう”
このようなお悩みがある方へ。
・母趾の付け根がいたい。種子骨炎・種子骨障害とは?
・種子骨炎・種子骨障害の対策とは?
私は国家資格を所持しており、病院にて医師と一緒に種子骨炎・種子骨障害を含む様々な疾病がある方に対して、インソールをお作りしております。
また、大学院にて人の動きに関して研究しておりました。
種子骨炎・種子骨障害など足に関してお悩みの方は、ぜひ当記事をご参照頂ければと思います。

種子骨炎・種子骨障害とは、母趾の付け根(足裏)が痛くなってしまう症状のことです。
周辺組織が炎症を起こすことで、痛みが生じてしまいます。
種子骨とは?
種子骨の役割

種子骨とは、足の母趾(親指)付け根の底にある2個セットの骨のことです。
種子骨は主に2つの役割があります。
- 腱に負担がかからないように保護している
- 母趾の筋肉を効率的に使えるようにしている
種子骨に関わる筋肉

種子骨は、足の筋肉・腱の中に埋まっています。
関連する筋肉としては、母趾外転筋・母趾内転筋・短母趾屈筋の3つとなります。
- 母趾外転筋⇒母趾を外側に動かす筋肉
- 母趾内転筋⇒母趾を内側に動かす筋肉
- 短母指屈筋⇒母趾を曲げる筋肉
内側・外側の2個の骨は、それぞれ別の筋肉の腱の中に埋まっています。
- 内側種子骨⇒母趾外転筋・短母指屈筋の腱の中に埋まっている。
- 外側種子骨⇒短母指屈筋・母趾内転筋の腱の中に埋まっている。
種子骨炎・種子骨障害の症状とは?
症状とは?

種子骨炎・種子骨障害とは、種子骨周辺に炎症が起こったり、骨折したり、ひどいときには壊死(えし)してしまう症状のことです。
こうした症状が出てしまうと、母趾の筋肉が上手につかえない状態になってしまいます。
また、痛みのせいで歩くことやスポーツ動作などが困難になってしまうこともあります。

例えば、歩行時には種子骨あたりにしっかり体重を乗せることが、足の蹴り出しのために必要です。
しかし、痛みや炎症などがあると体重が乗せづらく、母趾の筋肉もしっかりと使えません。
種子骨周辺に症状が出てしまえば、動きに問題が出てしまうのは当然のことなのです。
痛むタイミングは?

痛むタイミングとしては、体重をかけたときや、母趾が反ったときが考えられます。
それは、体重をかけると種子骨に負担がかかり、また母趾を反ると種子骨が付着してる腱が伸びて負担がかかってしまうからです。
歩き方は?
痛みを減らすために、母趾に体重がかからないように歩く癖が付いている方もいます。
すると、母趾だけでなく足首や膝、腰など他の関節の負担が増えてしまう原因にもなります。
ですが、
“痛みが強くて歩けない!!”
なんてこともあるかと思います。
そんな時の緊急の対策としては、
- 歩幅を狭く
- 足裏全体でスタンプを押すように
- ゆっくりと
歩くようにしましょう。
※常にこの歩き方をすることが良い訳ではなく、あくまで痛みが強いときの対策です。
日々の負担を減らすためには、インソール等の対策が必要となります。
種子骨炎・種子骨障害の原因とは?
繰り返しかかる負担

種子骨炎・種子骨障害の原因は、繰り返しの負担によるものが考えられます。
- 走行、踏み込む動作が多いスポーツをしている
- 働いているときにつま先立ちをよく行う
- よくしゃがみ込んで作業する
- たくさん歩く
どれも、足の指の付け根に負担がかかる動作を頻繁に行うことが特徴です。
スポーツでいえば、陸上競技・バスケットボール・サッカーなどよく走るスポーツに多いです。
よく踏み込み動作を行う、剣道・空手などの格闘技にも多いです。
働いている方では、たくさん歩いたり、しゃがんだり、つま先立ちをしたりする機会が多いほど症状が出やすくなります。
また、アスファルトといった地面の硬さなどの外的要因も、種子骨障害に繋がる原因として考えられています。
母趾の動きがかたすぎる・やわらかすぎる

母趾の動きがかたすぎる・やわらかすぎる人も、種子骨炎・種子骨障害になりやすいです。
母趾の動きがかたい足(母趾列の可動域が小さい)の場合、地面から垂直方向の押すような力が種子骨に加わりやすいため、炎症だけでなく骨折が懸念されます。
母趾の動きがかたい(母趾列の可動域が大さい)の場合、母趾列は大きく動くため反復的な擦るような力によって、炎症症状が生じやすいです。
種子骨炎が治らない?
“種子骨炎が治らない”
“一度痛みが引いても、また再発してしまう”
このようなお悩みが非常に多いです。
種子骨炎になる原因は様々ですが、多くは慢性的な負担によるものです。
種子骨炎の治療には、この負担自体を軽減させてあげる必要があります。
そして、インソールはすぐに負担を軽減させる有用なツールなのです。
種子骨炎・種子骨障害の対策とは?
インソール

種子骨炎・種子骨障害に対して、最も多く行われている治療はインソールによる保存療法です。
それは、インソールによって種子骨にかかる負担を減らすことができるためです。
種子骨の炎症の場合は、つちふまずなどの種子骨部以外の部分で体重支持を行う免荷をする必要があります。
つちふまずで支えることで、種子骨にかかる力が分散され、負担を減らすことができます。

また、インソールで母趾の反りすぎを防ぐようにしてあげることも、有効です。
それは、種子骨が付いている筋の伸びすぎを防ぐことができるためです。
種子骨炎の方は、足首がかたい方が非常に多いです。
足首がかたいと、指の付け根が大きく曲がってしまいます。
指の付け根が大きく曲がると、種子骨に大きな負担がかかってしまいます。
弊社のレディメイドのインソールは、全て母趾の動きをコントロールする設定となっております。
よろしければ、ご覧ください。
✔レディメイドインソール
応急処置(中敷きの加工)
痛みがある際の応急処置の方法を2つご紹介いたします。
どちらも、土踏まずの形状や母趾の反りすぎなどは考慮していません。
あくまで応急処置ではありますが、効果がある方法となります。
- 種子骨かかる負担を無くす応急処置(制限あり)
- 種子骨に負担がかかりにくくなる応急処置
どちらもご自分でできる比較的簡単な方法となります。
それぞれご説明いたしますね!
種子骨にかかる負担を無くす応急処置(制限あり)

こちらの応急処置の方が、効果は大きいです。
ですが、制限があります。
それは、インソールを2枚使うため厚みが出てしまい、お靴によっては足先がきつくなる可能性があるということです。
この応急処置では、痛みのある足側に2枚インソールを重ねます。
1枚は、元から入っているインソールを活用しましょう。
もう1枚は、次のような特徴があるものにしましょう。
- 安価なものでOK(100円ショップ・靴屋さんなどで販売されているもの)
- 凹凸の少ないフラットなデザイン
- 少し硬めのもの(ふわふわと柔らかいものはNG)
作業は簡単です。
ご購入した底側のインソールの種子骨部分をはさみ等で切り抜き、上にインソールを被せるだけです。
これにより、種子骨部分にかかる圧(体重)を大幅に減らすことができます。
種子骨に負担がかかりにくくなる応急処置

こちらの応急処置は、前の処置に比べて負担軽減が少ないです。
ですが、特に制限なく対応できます。
方法としては、靴に元から入っている中敷きを一度外して、種子骨を避けてパッドを張っていきます。
大切なのは、種子骨部分にパッドを張るのではなく、手前にパッドを張るということです。
これは、「除圧」という理論に基づいた対処法です。
使うパッドは、柔らかすぎず・硬すぎない材料であればなんでも大丈夫です。
- インソール・クッション材の切れ端
- ガーゼを重ねたもの など
注意点としては、パッドが厚すぎると違和感が強くなります。
5mmほどの厚みがあれば、違和感が少なく負担を減らせるかと思います。
運動療法(ストレッチ)
種子骨障害に、ストレッチは有効です。
それは、足首がかたいと種子骨に負担がかかりってしまうためです。
足首がかたく柔軟性がないことなども、種子骨炎・種子骨障害に間接的に関わっています。
そのため、ふくらはぎや足の裏のストレッチは、間接的に種子骨への負担を減らすことができます。
痛みが出ない範囲で取り組んでみてはいかがでしょうか?
柔軟性を取り戻す運動療法を行うことも、オススメです。
手術
ほとんどのケースは、インソールなどの保存療法により改善します。
保存療法で改善しない難症例の場合は、手術が検討されます。
【まとめ】種子骨にかかる負担をなくして、快適に過ごそう!

母趾の付け根部分に痛みがある場合、種子骨炎・種子骨障害である可能性があります。
種子骨炎・種子骨障害による痛みは、運動療法やインソールによって軽減が望めます。
そして、インソールは、手軽に取り組める治療方法となります。
種子骨炎・種子骨障害でお困りの方は、ぜひご参考頂ければと思います!