鵞足炎(がそくえん)治療|膝内側の痛み【サポーターでは足りない理由】

鵞足炎

このようなお悩みのある方へ

  • 膝の内側が痛い
  • 運動をすると膝が痛む
  • しばらくしたら痛みがぶり返す
  • 根本的に治したい

鵞足炎には、様々な治療方法がございます。
この記事を読めば、原因をしっかりと見極め、自分にあった方法を選ぶことができます。

私は国家資格を所持しております。
病院にて医師と一緒に、鵞足炎を含む様々な疾病がある方に対して治療用のインソールをお作りしております。

鵞足炎(がそくえん)治療|膝内側の痛み【サポーターでは足りない理由】

鵞足炎(がそくえん)とは、ひざ内側の炎症です。
オーバーユース(使いすぎ)が大きな原因といわれています。

膝の痛み=膝サポーターを使う

このように考えていませんか?
ですが、膝サポーターだけでは十分な対策とは言えないのです。

鵞足について

鵞足とは脛骨(脛の骨)にある、3つの腱が付着している部分のことです。
縫工筋腱・半腱様筋腱・半膜様筋腱という3つの腱が付着しています。
見た目が鵞鳥(がちょう)の足のように見えることから鵞足と呼ばれています。

膝サポーターではニーインが防ぎにくい

鵞足炎を治すうえで、膝サポーターだけでは不十分です。
それは、膝サポーターではニーインをしっかり防ぐことができないためです。

ニーインとは、 膝が内側に入り込む姿勢のことです。
くり返しのニーインによって、鵞足部に何度も負担がかかってしまいます。
これにより、炎症が起こってしまうのです。

実は、ニーインの原因は足にあります

特に扁平足による影響が大きいです。
そのため、膝にだけ作用する膝サポーターでは不十分なのです。

しっかりとしたサポーターならニーインを抑えられると思われるかもしれません。
ここでご想像頂きたいのは、痛くなるタイミングです。
痛みが強くでるのは、足が地面についている時ではございませんか?
足が地面と接地しているとき、つまり足底からの影響が強いのです。


扁平足のせいでニーインが起こる理由

扁平足と膝のニーインに関係あるの?
と思われるかもしれません。
しかし、足は身体の土台であるため、膝の動きとも密接な関わりがあります。
扁平足では、つちふまず周辺の骨がつぶれ込んでしまいます。
身体の土台である足の骨が内側に傾いているような状態になるため、
当然その土台の上に立つ脛骨(すねの骨)も内側に倒れこんでしまいます。
その結果としてニーインの状態が引き起こされます。


第一に優先するべきは、膝ではなく足なのです。
膝サポーターには、ニーインを防ぐ機能を持ったものはほとんどありません。

それでは、ニーインを防ぎ、鵞足炎を治すためにはどのように対策したらよいのでしょうか?

鵞足炎の治療方法

大前提として、鵞足炎は炎症なので安静にしていれば症状は治まります。
しかし、安静にすることとは動かないことであり、日常生活を送る上で動かないわけにはいきません。
また、痛みが治まってもニーインを繰り返すかぎり再発する可能性が高いため、根本的に解決する必要があります。

ニーインを防ぐためには、足と膝、両方へのアプローチが必要となります。

  • 足へのアプローチ
  • 膝(ふともも)へのアプローチ

それぞれへのアプローチ方法を詳しくお伝えしていきます。

足へのアプローチ

次の2つを組み合わせると効果的です。
インソールで理想的なつちふまず形状を保ちつつ、
足のトレーニングをすることで扁平足の改善ができるためです。

  • インソール
  • 筋力強化

それぞれについて解説をしていきます。

インソール

インソールは、ニーインを防ぐのに効果的です。

前述のとおり、扁平足によりニーインが発生します。
つまり、つちふまずを支えるようなインソールを使用することによりニーインを防ぐことが可能なのです。
しかし、ただつちふまずを支えればいいというものではありません。
つちふまずは接地時につぶれ込むことによって地面からの衝撃を和らげる機能があります。
ただ支えるだけのインソールではその機能を損なってしまう可能性があります。
そのため、つちふまずを支えつつも、その機能をサポートするインソールがより効果的です。

弊社で取り扱っております【AREIN】はその両方の機能を有しております。

治療用インソールをもとに開発されたインソール【AREIN】
扁平足に特化した【AREIN プロネーションサポート】

インソールは、一度靴の中に入れてしまえば、その後は靴を履くだけで使えます。
サポーターのように毎回装着をする手間もなく、お手軽に利用できることがメリットです。

足のトレーニング

足のトレーニングを行うことで、扁平足の改善が期待できます。

つちふまずは、骨・筋肉・靭帯で形成されております。
その中でも、筋肉がつちふまずの高さに関係しています。
筋肉・靭帯ともに骨どうしをつなげるという役割がありますが、筋肉にはもう一つの役割があります。
それは、伸び縮みをすることで骨の位置を動かすということです。
つまり、つちふまずを持ち上げる筋肉を鍛えることで、偏平足の改善ができるということです。

扁平足改善のためのトレーニングを2つご紹介させていただきます。

  • タオルギャザー
  • カーフレイズ

それぞれについて詳しく説明していきます。

タオルギャザー

つちふまず周囲の筋肉に対して効果的です。
地面に敷いたタオルを足の指の力だけでたぐり寄せるトレーニングです。
体重がかかることで、つちふまずは前後に伸びるような形でつぶれます。
つちふまず周囲の筋肉を鍛えることにより、つぶれすぎることを防ぐことができます。

カーフレイズ

ふくらはぎの筋肉に対して効果があります。
自然に立った状態から、つま先立ち(踵をあげた状態)を繰り返します。
ふくらはぎの筋肉の中には後脛骨筋という筋肉があります。
後脛骨筋にはつちふまずを持ち上げる機能があるため、扁平足の改善が期待できます。

トレーニングの効果的なやり方は、
足の浮き指|みんなが知らない改善方法! 【原因の徹底解明⇒対策を紹介】
の記事内にて、さらに詳しく解説しておりますので、興味のある方はご一読ください。

②膝(ふともも)へのアプローチ

鵞足に付着する筋肉に対して働きかけることでも、鵞足炎を改善することができます。
鵞足にかかるストレスを減らすことが目的となります。

  • 膝サポーター
  • ストレッチ
  • テーピング

以上の3つについて解説をしていきます。

膝サポーター

サポーターの目的は、筋肉のサポート動きの制限をすることにあります。
例えば、膝に痛みがあると、膝に力を入れることができないと思います。
力がはいらないと、膝の関節がぐらぐらと不安定な状態になります。
その状態で歩いてしまうと、痛みがより強くなるという悪循環がおこってしまいます。
サポーターは筋肉を締め付けることによって、力が入った状態を再現することができます。
つまり、痛くて力が入らない筋肉のサポートができるということです。
そのため、サポーターをすると「膝が軽くなった」と感じる方もいらっしゃいます。

また、動き過ぎを防ぎ、安静を保つ役割もあります。

しかし、ニーインを防ぐために開発されたサポーターはございません。
一時的に痛みの軽減することはできますが、根本的な解決をすることは難しいです。
そのため、サポーターだけで対策をするのは不十分であり、他の対策と合わせることが理想的です。

ストレッチ

ストレッチは、鵞足にかかるストレスを減らすことができます。
それは、ストレッチには筋肉の柔軟性を高める効果があるためです。
筋肉が硬く伸びにくい状態だと、常に鵞足に引っ張られるような力がかかります。
柔軟性を高め、柔らかく伸びやすい筋肉にしてあげることで、その力を減らすことができます。

鵞足炎に対しては、太ももの裏側と内側のストレッチが効果的です。

もも裏のストレッチ
 あぐらをかいた状態から片方の膝を伸ばし、体を前方に倒す
内もものストレッチ
 あぐらをかいた状態から片膝を伸ばし、つま先を内側に倒した状態で伸ばした足側に体を倒していく

痛みが強い時にストレッチを行うと、悪化する場合があるので注意が必要です。
ある程度痛みが治まってから行ってください。

テーピング

筋肉の動きをサポートするテーピングも効果的です。
ただし皮膚が弱い方はかゆみが出たり、かぶれたりする可能性があります。
皮膚の状態を確認しながらテーピングを行ってください。

テープは、伸縮性のあるものを使います。
膝を少し曲げた状態で鵞足部から内太ももの上部に向かって貼ります。
膝が内側に入るのを止め、外側へ誘導するように働くため痛みの軽減が期待できます。
さらに効果を強めたい場合は、少しずらしながらテーピングの本数を増やすと効果が高くなります。

その他の対策

薬物療法

痛み止めの服用や、湿布を貼ることでも症状を抑えることができます。
なかなか症状が治まらない場合はステロイド注射を打つ方法もあります。
しかし、ニーインを防ぐことができないため、薬の効果が切れると症状が再発することが多いです。

鵞足炎の見分け方

鵞足炎と同じように、膝の内側が痛む疾患が他にもあります。
症状は似ていますが、それぞれ治療方法が異なるため注意が必要です。

鵞足炎の症状

鵞足炎の主な症状は痛みです。
膝の内側の中心から5~7cm程下の部分に鵞足があり、その部分を押すと痛みを感じます。
運動中や運動後に痛みを感じることも多いです。
症状が強くなると安静にしている時にも痛みが出ることもあり、腫れや熱感を伴うこともあります。

鵞足炎と似た症状の疾患

膝の内側に痛みが出る疾患は他にもあります。
特に以下の3つがよく知られています。

  • 変形性膝関節症(O脚の場合)
  • 膝内側側副靭帯損傷
  • 膝内側半月板損傷

いずれの疾患とも、鵞足よりも上の部分(膝の中心付近)に症状が出るため、痛む場所で判別が可能です。

O脚の場合はニーインを起こすことが治療になります。
そのため、鵞足炎とは治療方法が真逆になります。
疾患それぞれで治療方法が変わってきますので注意が必要です。

ご自身で判断が難しい場合は、医療機関への受診をお勧めします。

まとめ

鵞足炎になった方の中には、膝が痛いからと、膝サポーターを検討される方も多いと思います。
しかし、鵞足炎の治療には膝サポーターだけでは不十分です。
それは、膝サポーターだけではニーインを防ぐことができないからです。

ニーインは扁平足が原因で引き起こされます。
土台である足が内側に傾いているため、その上にある膝がニーインしてしまうのです。
そのため、膝サポーターだけではニーインを防ぎきれません。
扁平足に対して対処することが、鵞足炎の治療につながります。

扁平足に対してはインソール+トレーニングが効果的です。
弊社で取り扱っているAREINはつちふまずを支えつつも、
衝撃を吸収するというつちふまず本来の機能をサポートできるように設計してあります。
AREINについて興味のある方はこちらをご覧ください。

治療用インソールをもとに開発された【AREIN】

少しでもこの記事を読んでいただいた方のお役に立てたら幸いです。